牟礼市政の市政運営の基本についておたずねをいたします。
この大変なときに、住民をまもるべき地方自治体八幡市の現状はどうでしょうか。市長は急いで建設する必要もない、そして採算に不安を持ちながらの公共事業松花堂美術館や流れ橋交流プラザ建設に熱中してきました。これまでに土地購入から完成まで、中核施設の整備のためと松花堂で16億8,200万円、流れ橋で7億9200万円合わせて24億7400万円もの資金を投入しました。こうして八幡市の借金をふくらませ、二つの交流拠点を、交流人口や人口増などの起爆剤とうたっておきながら、オープンしても流れ橋交流プラザは、オープン直後から上半期の収支がぎりぎり「とんとん」と報告され、松花堂美術館では今回850万円の使用料収入が減額補正をされました。このようにオープン当初から採算が危ぶまれる状況であることは明らかです。
そして先日の答弁によると、地方債償還金は、H18年度をピークに27億から28億円と報告されました。
一方、大型道路開発を中心とするまちづくり構想についても「第2京阪道路・京都第2外環状道路の開通を間近に控えて云々」と、おっしゃっていますが、第2京阪道路の木津川にかかる一般道路部分の工事の見通しや、木津川御幸橋についても先の答弁によると5年以上先とのこと。第2名神の開通も見通しが立たず、高速道路網を中心としたまちづくり構想の破綻もあきらかです。こういった市長の市政運営に対して疑問の声があがってきています。 このように完全にゆきづまっているのに、それにはなんの反省もせず、そのツケまわしを職員給与削減をはじめ経常経費、各種団体補助金を削減するなどを行い、さらに介護保険料の引き上げ、第1段階の保険料助成制度の廃止をはじめ保育料の引き上げなど市民に負担増の犠牲を押しつけようとしています。これでは自治体本来の役割を投げ捨てるものだといわなければなりません。
市長は財政の問題では、就任当初H12年度の方針では「数年来の行財政改善により危機的な状況を克服し、新たな事業にも着手できるようになりました。」として、交流拠点事業に着手しました。そして、翌年には「一時的には財政状況の改善が図られたけれども(ダイエットリバウンド論を披露し)交流拠点や新消防庁舎が建設できるようになったからと言って、財政状況を楽観視する風潮がありますが、油断をすると今以上に厳しい情勢に陥ってしまいます。」といましめ、H14年度施政方針では「危機的な財政状況に直面しています。」と言って悲壮感で市民を不安にさせてきました。H15年度予算編成に向けて「多額の地方債発行を行ってきたことから、借金残高が急増しており、その償還が将来の大きな負担となるなどきわめて厳しい状況にあります。」と戒めておられます。しかし市長は、マスコミに対して「厳しい中にも将来展望がもてる」と発言しています。
市長は結果として市民負担増=保育料、介護保険料の引き上げ、第1段階の保険料助成制度の廃止・各種補助金削減・職員をはじめとする給与削減による犠牲を強いたのです。
さらに、今後「行財政改革実施計画」の取り組みの中で施設の管理運営のあり方について、保育園及び幼稚園の民間への移管をあげられていますが、今日まで「子育てするなら八幡市で」と誇ってきた幼児教育・待機者を出さない保育の実績を、財政が厳しいからと言って公が責任を持つことを投げ出すなどと言うことは許されないことです。いったい誰のための市政を行おうとされているのでしょうか。地方自治の本来の仕事は、住民の福祉の向上のためにあるのではないでしょうか。
いま自民党・公明党中心の政治が地方自治体に押しつけている、暮らし・福祉の切り捨て、大型開発への集中、地方自治破壊という方向があまりにひどいなかで、「自治体らしい自治体を取りもどそう」「地方から政治を変えよう」という動きが全国各地に広がっています。
岩手県陸前高田市で日本共産党員の市長が誕生しましたが、この市長さんは、不要不急の大型施設の建設をやめ、「国保税の引き下げ」「子育て支援を強める、第3子の保育料を無料化」「就学前の医療費無料化」を公約に当選したのです。公約である市長専用車を廃止し愛車の軽トラックで登庁し大きな話題になっています。そしてまず、市長給料を20%減額、市長交際費を縮減し、国保税や保育料の引き下げ、介護保険料の軽減策など暮らしを応援する施策を骨格予算に反映しています。
市民が求めているのは、開発中心の地方自治破壊でなく、住民の暮らしを応援する政治ではないでしょうか。そこでおうかがいいたします。
1、国や、府の動向をあてにした、大型道路を中心としたまちづくり「第3次総合計画」は破綻しているのではないでしょうか。今後見直しをおこない暮らしを応援する市政に変換することが必要と考えますが、どのようにお考えですか。
2、財政は厳しいと言う中で、3年前H12年には「危機的な状況は克服し、新たな事業に着手できる」と箱ものを造り、H14年度は「厳しい」といい、この新年度予算には「希望がもてる」と発言する市長のスタンスはいったいどこにあるのでしょうか。お聞かせください。
H15年度予算編成に向けた、緊急財政健全化計画による8億円の具体的効果の内容についても説明をしてください。
3、厳しいと言って切り捨てを行ってきた、市民サービス・職員給与削減や補助金カットなど今後どうして回復していくのですかおきかせください。
暮らし、不況対策についておたずねします。
【質問】
1,緊急地域雇用創出特別交付金についておたずねします。
この交付金は新規雇用創出のためのもので、事業費に占める人件費の割合を8割以上とし、かつ雇い入れる失業者の割合を4分の3以上とされています。就労期間が6ヶ月を越えないことなど課題があります。昨年一定の改善が認められていますが、実効性のあるもので行っていただきたいと思います。施政方針では、「出土した遺物の整理」が紹介されていますが、ほかにどんな事業があり、どれくらい雇用の計画をされているのでしょうか。全体の緊急地域雇用対策費はどれだけ予定されているのでしょうか。また、実効性のあるものとして検討されているのでしょうか。計画を具体的にご説明ください。
2、暮らしの資金貸付金を大幅に増やし、暮らしを応援することについておたずねします。
八幡市は、今日まで一時的に暮らしに困ったときに、経済的自立と生活意欲の向上を目的に援助する「暮らしの資金貸し付け制度」を実施してきました。貸付金を10年前に1世帯15万円、単身者は8万円以内と改訂しましたが、先に述べましたように、失業や倒産など暮らしが大変になっている中で、医療費においても自己負担金が増える中、暮らしの資金額が現実の暮らしを一時的に支える実態に追いついていません。こんな時だからこそ貸付金を増やし暮らしを応援するべきではないでしょうか。
行財政検討審議会の答申に、この制度の廃止をうたわれていますが、削るべきはほかにあります。いつも言っていますが、事実上部落解放同盟の活動費になっている、山城地区市町村連絡協議会負担金201万4千円や、部落解放基本法制定要求国民運動実行委員会への助成40万4千円などやめればできることです。
市民が大変なときこそ増額をして支えるのが自治体の仕事ではないでしょうか。お考えをお聞かせください。
3,国保税の引き下げを行い、国民健康保険証取り上げを行わず、医療を保障する施策強化について
昨年の医療改悪により国民負担増は、1兆5100億円にものぼります。昨年10月から70歳以上のお年寄りの医療費が1割負担になり、昨年と比べて11,8%の受診抑制が起こっています。そして、4月からは、サラリーマン本人の医療費を3割に引き上げるとしていますが、ますます受診抑制が広がり健康悪化が心配になるところです。
先日、高額医療を受けておられる高齢者の方がこんなことをおっしゃっていました。1回受診すると1万円以上かかる注射を受けているそうです。自己負担が増えて、お医者さんは心配をされ「薬を減らしましょうか。」とおっしゃったそうです。しかし本人は病気を治したいし、「減らしてくださいとはいえなかった」と。何とも寂しいお話です。しかしお金が払えなくて治療を中断している人がでてきているのです。だからこそ、医師会も今回のサラリーマンの本人3割負担に反対の表明や運動をされているのです。本市議会も26日には、この実施を延期するよう国に求める意見書を採択したところです。残念ながら自民、公明は反対されましたが。・・・
国民健康保険では、公的年金等特別控除が廃止され、年一万数千円もの負担増が、年金生活者に強いられることになります。さらに不況の影響で滞納世帯が急増している中で、保険証資格証明書の発行が(事実上の取り上げ )行われています。保険税の負担軽減こそいま必要なことではないでしょうか。基金積み立てができるのなら、いまは負担軽減に回して市民の暮らしをさせることではないでしょうか。お考えをお聞かせください。
また、市長におかれましても、サラリーマン健康保険本人の3割負担の実施について、「凍結」を国に求めていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
【質問】 2.「八幡市医療費貸付制度」第4章「老人医療費負担金貸付金」は入院のみを対象としていますが、現行医療制度に適した内容に改正する必要があります。外来を含めた医療費負担の貸付制度に改正し、市民が利用できるように改善が必要と考えますがいかがでしょうか。 【答弁】 研究したいと思います。
市内循環バスの見通しについて 【質問】 市内循環バスは、多くの自治体で高齢者や交通弱者の足確保として取り組んでいます。市役所をはじめ公共施設、図書館や生涯学習センター病院や松花堂、流れ橋などを結ぶバスが必要です。検討委員会の検討結果と見通しをお聞かせ下さい。又、橋本のまちの中にバスを!とのねがいに答えて、狭い道路にも入れるバスの検討はどうなっていますか。 【答弁】 市内観光も含めて、巡回バスは検討したい。財政問題が課題である。橋本については狭小道路に対応できるものを検討したい。
(後日の常任委員会で、市内循環バス・橋本の狭小道路対応のマイクロバスの2コースを検討する。財源確保と、周知を来年度で行い、H16年度運行を目標として検討を進めている。ことが明らかになりました。)
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